ドアツーポート(Door to Port)で格安海外引越し

ドアツーポート(Door to Port)とは、日本の自宅等から荷物を発送して、海外の空港・港もしくは倉庫で受け取る方法です。特に、海外移住などで、家財一式を日本から海外へ安く送りたい方へお勧めです。今回は、400kg分の家財一式を海外に発送した方法で、かかった費用とその体験を紹介します。

ドアツーポート(Door to Port)について

発音としては、ドアトゥーポートの方がしっくりきますが、検索では、ドアツーポートの方が一般的なので、記事でも、ドアツーポートで統一しています。

ドアツードアとドアツーポートの違い

引越し業者によっては、ドアツードアと、ドアツーポートを提供していますが、ドアツーポートの方が、料金は安くなる傾向にあります。

  • ドアツードア:自宅等から荷物を発送して、海外の住所まで荷物を受け取る方法
  • ドアツーポート:自宅等から荷物を発送して、日本の自宅等から荷物を発送して、海外の空港・港もしくは倉庫で受け取る方法

ドアツーポートのメリット・デメリット

メリット

  • 低価格:自分で行う部分が多い分、発送費用が抑えられます。
  • 荷物の重量制限:梱包する箱ごとに重量制限はありますが、それでも重いものも沢山送ることができます。
  • 住所未定で発送可能:最終的な発送先が現地の空港・港もしくは倉庫になるので、現地の住所が確定する前に発送できます。ただし、一定の期間(私の場合は5日)以上、荷物を倉庫に置いておくと、保管料が発生してきますので、注意が必要です。

デメリット

  • 発着までの日数:船便での発送なので、ある程度の日数はかかります。日本からトロントまでで、2ヶ月程度かかりました。
  • 手続きが面倒:荷物の梱包と、発送物の書類作成、倉庫での引き取りを、自分で行う必要があります。
  • 英語のやりとり:税関を含めて、現地の荷物引取りは英語になります。自分自身への荷物の発送なので、輸入禁止の内容物でもない限り税関も細かいことまで、質問しないと思います。中学レベルの英語力があれば乗り越えられると思います。
  • 自分で荷物を引取りに行く手間:荷物が保管される現地の倉庫が、住んでいる場所から遠い場合は、かなりの負担になります。また、荷物の量によっては、現地で大きな車を借りるなどの手間が発生します。私は、U-HAULのVanを借りて家まで運びました。

発送までの流れ

ステップ0:発送する荷物のある程度の把握

最初の段階では大体でもいいので、業者から見積もりを出してもらうために、発送する荷物をある程度決める必要があります。下記の点に気をつけてください。

  • 電化製品などは、電圧の違いで海外で使えないことがあります。
  • 国によって、禁輸アイテムがあります。(身近なものとして、薬・食べ物関係は複雑です。)

ステップ1:業者選定

私は、5つの業者を候補にして、1つの業者を選びました。業者によって、箱のサイズから重量制限まで様々です。料金も10万円台から数十万とプランやオプションによって様々でした。見積もり依頼は基本無料です。私が選んだ業者は、荷物を入れる箱を発送した時点からキャンセル料金が発生する形でした。

ステップ2:箱詰め

荷物を入れる箱は、平たい段ボールの状態で届きました。一緒に届いた専用のガムテープを使い、箱の組み立てを行います。かなり分厚いダンボールなので、空の状態でも1箱で5kgありました。下記の写真は6箱ですが、私は8箱送りました。

箱詰めで大事なのは、書類作成を考慮して、同じ内容物はまとめて番号を振っていく必要があります。例えば、服であれば、袋やケースに入れて番号付をしていきます。ここで大事なのは、服とアクセサリーなどは同じ番号を付けられないので、袋やケースを分ける必要があります。

隙間ができた場合に埋めるものにも、書類作成のため番号付が必要になります。

ここで大活躍したのが、ハンディラップ。梱包の際にサイズに関係なく何でもまとめられるので、とても便利でした。

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ステップ3:書類作成

箱詰めが終わったら、Custom Form(Inventory List含む)とInsurance Formの作成を行います。Custom Formは国ごとに違います。カナダの場合は、Personal Effect Accounting Documentです。私の場合は業者の方が必要書類は用意してくれました。シンプルなフォームですが、内容物の記入をするInventory Listは荷物の量が多ければ、それに比例して記入する項目が増えていきます。

ステップ4:発送

最後に先程の業者に発送依頼をかけて、引取りに来てもらう業者との調整をしてもらいます。荷物は相当重たいので、引取り業者の方と一緒に、トラックに荷物を運ぶ必要がありました。

入国の際の手続き

発送業者から教えてもらえると思いますが、カナダの場合、入国審査の後、空港内のCanada Border Services Agency (CBSA)(税関)に赴き、作成した書類(Personal Effect Accounting Document、Inventory List、Personal Effects Declarationなど)に目を通してもらう必要があります。場所などは、入国審査官や空港スタッフなどに聞けば教えてもらえると思います。税関から書類にスタンプが押されて返却されたら完了です。この書類が引き取りの際に重要になります。

税関でのちょっとした事件

入国審査官が優しくてホッとしていたのも束の間、税関職員はとても厳しい人でした(涙)私は、Inventory ListのItemを全て円で記入していたのですが、その税関の担当者から厳しい口調で、カナダドルに全部変換するように要求されました。私の場合は100個程、Itemがあったので、乗り継ぎのFlightも1時間後に迫っていて、とても焦りました。幸いなことに、パソコンを持っていたので、エクセルを駆使して、なんとかカナダドルの追加記入を完了して、Flightにもギリギリで間に合いました。

現地での引き取りの流れ

ステップ0:船会社からの連絡を待つ

現地へ荷物が到着した段階で船会社から、連絡がきます。ここで、荷物引取りに関わる、税関の際に必要な書類(eManifest、Commercial Invoice)や、保管倉庫会社の情報を伝えてもらえます。また、船会社への支払いもこの時点で行います。ややこしいですが、日本の手配業者とは別途必要になる費用です。詳しくは、記事下部の費用内訳をご覧ください。

ステップ1:倉庫保管会社と引取り日の調整

荷物が届いたら、倉庫保管会社と引取り日の調整を行います。倉庫保管会社への支払いもこの時点で行います。こちらも、日本の手配業者とは別途必要になる費用です。詳しくは、記事下部の費用内訳をご覧ください。

ステップ2:引取り当日

9′ Cargo Van

引取り日は保管倉庫が開いているのが平日の8時半から4時半のみという制限があったので、金曜日に行いました。荷物を運ぶ際にはU-HAULを利用しました。平日だったせいか、前日予約でも借りられました。

Canada Border Services Agency (CBSA)(税関)

荷物のピックアップの前に、CBSA (税関)に行く必要があります。CBSAはToronto Peason空港の敷地内にあり、車でOfficeまで行くことができます。下記の書類のやりとりをして、関税が必要であれば支払いをします。

  • eManifest(配送物の概要を電子化した書類)
  • Commercial Invoice(船会社の請求書)
  • Personal Effect Accounting Document
  • Packing list of package contents(Inventory List)
  • Passport

入国の際にPersonal Effect Accounting DocumentとInventory Listにスタンプを押してもらっているので、ここでの作業はスムーズです。待ち時間もなく所要時間は10分ほどで終わりました。事前に永住権保持者はPRカードまたはCoPRが必要との情報もありましたが、私の場合は提示する必要はありませんでした。eManifestに税関からスタンプを押してもらい、この書類を保管倉庫の担当者へ渡すように指示されました。

保管倉庫でのピックアップ

税関から倉庫までは車で10分ほどの距離にありました。倉庫に到着すると、税関から受け取ったeManifestを倉庫の担当者に提出して、いよいよ荷物がリリースされます。当初は、荷物は自分で車に入れるものだと思っていたので、フォークリフトで荷物を入れてもらえたのは大変助かりました。

荷物を車の半分くらいまで入れた後、荷物だけズラして、木製のパレットは引き抜いて処分してもらえました。何も言わないと、もれなくついてくる様です。

費用の内訳

ドアツーポートを使って、日本からトロントまで400kgの荷物を発送した時の費用の内訳です。

支払い先費用
ドアツーポート発送業者¥157,000
関税CA$0
船会社CA$194.23
倉庫保管会社US$45.00
レンタカーCA$104.00

まとめ

今回、初めてのドアツーポートを利用しましたが、大きな問題もなく家財を海外へ発送することができました。ちょっとしたトラブルもありましたが、とてもいい経験になりました。英語については、カタコトで道案内を出来るくらいの力があれば、十分可能だと私は思います。